「世紀の相場師ジェシー・リバモア」内容
母親からもらった5ドルを手にして家を出た14歳少年が、巨万の富を築き上げる。
「伝説の投機王」と呼ばれた相場師、ジェシーリバモアの壮絶な生涯を描いた本。
トレーダーなら心を奮わせられる一冊間違い無しです。
投資家、ではなく投機家として次々に勝負していくリバモアの様子を目にしているとふつふつとこみ上げるものがあります。
投機には”絶対”がありません。
どんなことでも起こる、それが投機です。
そんな中でも果敢に攻め続け結果を出し続けるリバモア。
その勇気と度胸、そして何度やられても立ち上がる姿に本当に感銘を受けました。
実際、リバモアはブラックマンデーで1億ドル以上の利益を得たにも拘らず、4度も破産しています。
そして最後にはうつ病を発症、ピストル自殺。
こんなに才能にあふれた人間でも自殺してしまう。
幸せについても深く考えさせられる一冊です。
私が読んだ際にメモした文章
私が箇条書きでメモした内容をそのまま記載します。
本当にそのままなので分かりづらい文章もあるかと思いますが、その点はご了承ください。
- 相場全体の流れが嫌に感じる場合、自分の認識以上に自分にとって不利な状況と見る必要がある。
- 期待して待つのが博打 。
忍耐強くシグナルを待ち、シグナルが来た瞬間に反応するのが投資、投機家。
- 勝ち組に焦点を当てるよりも相場の世界の愚か者にならないことに焦点を当てる。
- 相場師に必要な条件 6つ
○ゲームセンス
○相場センス
○観察力
○記憶力
○計算能力
○経験
- トレードは射幸性の高い分野
- リバモアは牽引性の高い株をひいきした。
一番強い通貨が元気を失い下げに転じたら、相場全体が調整局面に入ると言う考え方。
- ギャンブル、相場に勝つための3つの条件
○タイミング 入り際と引き際
○資金管理
○心理的平静を保つ自制心
- うまくタイミングを捉える鍵は忍耐。
考えを巡らすことで金が儲かるわけではない。
ひたすら待つことで金が手に入る。
- 頭の中でどれだけ将来の値動きを思い描こうと、市場がその判断の正しさを認める明確なシグナルを発するまで、岩のごとく待ち続けなければならない。
- 相場をリードする通貨を探し分析する。
リードする通貨にはその時の市場の本質が凝縮されていると見て間違いない。
その通貨で利益が出なかったら、その時の市場から利益を得るのは中々にして難しい。
- その日の取引する通貨ペアは限定する。
そうすることで神経を一定範囲に集中でき、その枠内に存在する可能性、潜在能力を最大限に引き出せることになる。
- 市場は現在の状況や情勢をベースに動いているわけではなく、将来をにらんで動いている。つまり、現状より前を進んでいることに気付かなければならない。
- タイムイズマネーは相場の世界では成り立たない。
なぜならマネーが働かず、利益を生まない『時』があるからだ。
- 期待、予想はしてはならない。
相場から糸口、シグナル、ヒントを待ち、それを確認してから行動すること。
確認したあとにだけ行動することが重要。
期待や予想は落とし穴と心得よ。
- 投資家の目的は安全かつ確実に増やすことではない。
一番心に残った内容/名言
投資家の目的は安全かつ確実に増やすことではない。
私の感想
めちゃくちゃ心を打たれた本です。
ジェシーリバモアの知的で、大胆で勇気溢れる行動力、そして何度やられても不死鳥のごとく復活する姿に夢中で読み進めた本です。
私はFXをやっており、2020年1月時点で4年目となります。
不確実な相場をいかにして生き残るか。
それをリアルに描いた内容となっています。
巨万の富を描くリバモアですが、失敗もします。
「人の情報を当てにし、自分のルールを破ったときに大負けした」という内容はとても記憶に残っています。
「リバモアの手法、認識」と「凄い高い地位の方で有力な情報発信者と思われる方からの情報」との方向性に違いが生じ、リバモアはその情報発信者の情報について深く考えず、自身の考えを捨てポジションを調整したために失敗した、というような内容が書かれています。
同じような体験、相場参加者ならば誰でもあるのではないでしょうか。
又、儲けるリバモアを良くは思わず、大衆はリバモアが相場を操作していると非難しだします。
中には命すら狙う人物も。
リバモアは正々堂々と相場で戦っているのに、ズルをしていると思われて大変な目にあうのです。
そんな相場とは関係の無い所でもリバモアは戦わなければなりません。
最終的にリバモアはうつ病でピストル自殺してしまうのですが、本当に涙が出ました。
これほど才能にあふれる人間でさえも自殺してしまうのか。
本当の幸せについても深く考えさせられました。
トレードに対する姿勢、心構え、考え方をふんだんに学べるバイブルとして今でも手元に置いています。
投資、投機家には是非お勧めしたい一冊です。
最後まで目を通していただきありがとうございました。
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